━違和感と恋心━

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「はい。僕も男ですから、体ぐらい鍛えようと思って」 「良い事だと思うが、鍛えても使わなきゃ意味が無いぞ?」 「でも、何かあった時に無いよりは良いじゃないですか。僕守られてばっかりでしたから、今度は自分が皆を守れたらなって。特にライトさんを」 「私を…か?」 ライトニングはキョトンとした顔をして言った。 ホープが体を鍛え始めたのは、三年前の出来事を思い出したのがきっかけだった。 その出来事とはパルムポルムでの事だ。 スノウにおぶられ行動していたホープは、倒れたスノウの代わりに一人で魔物と戦った。 ギリギリのところでライトニングとファングが合流して、三人で魔物を倒した後の事。 『ノラ作戦…失敗です』 『守るから…。私が守る』 『ライトさん…。あの…僕も、できたら僕も、ライトさんを守れたらって』 この時からホープはライトニングをなるべく守るようになった。 しかしあの時は魔法が使えたため守ることが出来たが、全てが終わった時にはルシの刻印が消え、力が無くなってしまった。 それ故ただの力のない子供に戻ってしまい、中々守ることができなくなった。 それからホープはライトニングのサポートにまわり、月日が経つにつれて守るという事も忘れてしまった。
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