━違和感と恋心━

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しかし二年前に、ふとその事を思いだした。 それからホープは今からでも鍛えて守ろうと思い、ライトニングをサポートしながら体を鍛え始めたのだ。 「はい。三年前の恩返し…みたいなものです。…でも今は至って平和ですから、見た目だけなんですけど」 ホープは照れ臭そうに笑いながら言った。 ライトニングは優しく微笑む。 「ふっ…その時は頼むよ」 「はい。あっもう風呂良い感じみたいです。先に入って良いですよ」 「良いのか? いつもすまないな」 「いえいえ」 ライトニングは立ち上がると、一旦着替えを取るために自分の部屋へ行こうとした。 しかし部屋の前で立ち止まった。 「そういえば、さっき何て言おうとしたんだ?」 「さっき?」 「お前が風呂場に行く前」 ホープはギクッとした。 覚えていたんだ…と心の中で思う。 今、正直に言ったらどうなるのだろうか。 言ってみよう…と思ったが、やっぱり言えない。 「な、なんでも無いですよ。気にしないでください」 ニッコリとぎこちない笑顔をして言う。 精一杯の笑顔だ。 「そうか…。わかった」 そう言うとライトニングは部屋に入り、着替えを持つと風呂場に行った。
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