━違和感と恋心━

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近くの棚にあらかじめ置いてあったタオルで体と頭を拭く。 そして寝間着に着替えた。 タオルを首に掛けると、そのままリビングに行った。 「次、入って良いぞ」 リビングからキッチンに向かって歩きながら言う。 ホープは育て方の紙を読みながらラジオを聴いていた。 「あ、はい」 ホープはそう言うと育て方の紙を折り畳み、ラジオを付けたまま部屋に行って着替えを持つと風呂場へ行った。 ライトニングはキッチンでグラスに水を注ぐと、それを片手にリビングに移動し、そしてソファーに座った。 ライトニングは水を飲みながらラジオから聞こえる声に耳を傾ける。 ラジオからはニュースの特集が流れていた。 『コクーンがクリスタルに包まれてもうすぐ三年が経ちます。…あの惨状の中で生き残ったコクーン市民達は、パルスに移住をしました。今は厳重なバリアで守られながら暮らしていますが、生活に必要不可欠な存在だったファルシに頼って生きていたコクーン市民にとって、ファルシがいない今の生活は苦難の連続です』 ライトニングはラジオに付いている小さなスイッチを押す。 すると小型のウィンドウがラジオから現れ、そこにはクリスタルに支えられたコクーンと、ファルシの絵、そしてパルスの街並みとそこで暮らすコクーン市民の映像が流れた。
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