FINAL FANTASY XIII

━違和感と恋心━

『軍の調査によると、コクーン内部で二人の女性をクリスタルの状態で発見した、との報告がありました。クリスタルがコクーンを支えているように見えることから、コクーンを破壊せずに済んだのはこの二人のおかげ。そう信じるコクーン市民も少なくはありません』

ラジオから浮かび上がるウィンドウにコクーン市民のインタビューと、クリスタルになったファングとヴァニラが映し出される。

ルシだった時は皆から恐れられていたのに、今じゃ英雄扱いか。
ファングとヴァニラはどう思っているんだろう。

「………」

グラスに入っている残り少ない水を一気に飲んだ。
それからも特集は続き、ライトニングはずっとそれを聴いていた

やがて特集は終わりに近付いていく。
終わりのBGMと一緒にアナウンサーの締めの言葉が流れた。

そして特集が完全に終わると、無音が続いた。
ライトニングはラジオの電源を切る。

「ラーイートさんっ」

「なっ！？」

いきなり後ろから誰かに抱きつかれた。
誰かと言ってもあいつしかいないのだが。

驚きのあまり、ついまぬけな声が出てしまった。