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このような感じで、スノウとセラは生活している。
たわいもない会話をして、笑う。
これがスノウとセラにとって一番幸せなことだった。
やはり、好きな人といるだけで幸せになる、というのは事実だった。
この日々が一生、死ぬまでずっと続くと良い。
二人はそう思っていた。
「そういえば、最近腕に違和感があるんだよなぁ。ムズムズするというか、なんというか…」
スノウは片腕を擦りながら言った。
「腕のどこ?」
「それがちょうどルシの刻印があった所なんだ」
スノウは「ここ」と三年前にルシの刻印があった所を指差す。
セラは指差した場所を覗き込んだ。
「うーん。気になるね…。そういえばホープも刻印があった所に違和感があるって言ってたよ」
「そうなのか? 気味が悪いな…」
スノウは嫌そうな顔で刻印があった場所を見る。
「考えたくはないけど、刻印が復活しようとしてる…とか…?」
セラは真剣な顔でスノウを見ながら言う。
「まさか。…でも、もしそうだったらそれは勘弁してほしいな」
「私も…」
二人は笑顔をなくし、暗い表情になる。
周りの空気が重くなった。
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