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「まっ、ほっとけばそのうち治るさ。心配しなくて大丈夫」
スノウは重くなった空気を変えようと、明るい口調で言った。
「そうだね。復活なんてあるわけないよ」
「そうそう」
スノウの言葉のおかげで空気は元の明るさに戻った。
周りの空気を変えられる所もスノウの良いところだ。
たまに逆効果を招くが。
「あっ、通信だ」
と、通信機の音がリビングに鳴り響いた。
スノウは急いで通信に出る。
「おい! 今日は花火の計画を話し合うんじゃなかったのかよ!?」
通信機の中でガドーの声が音割れするほど響く。
それを聞いたスノウはハッと立ち上がり。
「あぁ悪い悪い! すっかり忘れてた」
頭の後ろに空いている手を当て、苦笑いしながら言う。
「さっさと来い!」
その言葉を最後に通信が途絶えた。
「悪いセラ。ちょっと出掛けてくる。夕飯には間に合うようにするから」
スノウは通信機をポケットに入れ、自室に向かいながら言う。
「うん。頑張ってね」
「おう。いってきまーす」
スノウは袋に入った荷物を持つと、元気よくセラに挨拶をしながら家を出た。
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