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五人はそれぞれ荷物を持って、バリアの中へ入るためのゲートを潜る。
もう数十分もすれば完全に日が落ちる頃になった街は、等間隔にある松明などの灯りでなんだか柔らかい印象があった。
風に乗って美味しそうな匂いが流れてくる。
セラも夕飯の準備を始めてるのだろうか。
今日の夕飯は何かなー、などと思っていたら無意識に顔が綻んでいたらしく、レブロとガドーにど突かれた。
五人はマーキーとユージュが二人で暮らす家に着くと、荷物をそこに置いた。
二人が暮らす家は小さな木造の二階建てで、一階でマーキーが、二階でユージュが寝起きしている。
「じゃ、明日の朝集合な。一応セラ達にも声を掛けておく。みんな遅れるんじゃねぇぞ」
家の中へ荷物を置き終わったスノウはみんなへ呼び掛けた。
「それはこっちの台詞っすー!」
マーキーの言葉にみんな頷いた。
「あぁわかったわかった。もう忘れたりはしないって」
スノウは笑いながら制するように両手をみんなへ向けて言った。
他のみんなは「本当かよ」などと言って笑った。
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