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健康的な美人という顔立ちでポニーテールの女性、そして、対照的な小柄な女性・・・・そして、遅れてやって来た若者が集まった。
「本降りだな?ユリアン」
「一応奥まで見たけど・・・多分この雷だモンスター共はでて来ないよ・・今日はいいんじゃないかな?トム」
ユリアンと呼ばれる若者、ユリアン・ノール(20)が答えた。
リーダーのトーマス・ベント(22)で、トムと呼ばれる若者をみんなが見た。
真面目で聡明、さらに面倒見のよい彼は、みんなの信頼を得ていたのだ。
「どうして、雷が鳴るとモンスターは出ないの?」
小柄な女性、サラ・カーソン(16)が姉のエレン・カーソン(20)の影から、そうトムに訪ねた。
「さぁ?・・・理屈はわからないけどビビるんじゃないかな?」
「サラと同じね?」
エレンにそう切り返され、サラが顔を赤らめて下を向いた。
「ぷ・・ハハハ」
そのサラらしい、行動にみんなが笑った。
「さて、休むか・・・」
そう言って、トーマス達がパブに入った。
(シノンパブ)
「お疲れさん」
マスターが、そう言って彼らを労う。
「本格的に降り出したから、モンスターは出ないよ」
ユリアンが最後にドアを閉めて入ってきた。
カウンターには、褐色肌の見ない顔、のこの時期に珍しい旅人が腰をかけていた。
『こんな開拓地に珍しいな・・』
ユリアンがそう思いながら、本来の目的を思い出した。
『そうだった・・・今日こそ』
覚悟を決めたユリアンは、計画通りにトーマスに話し掛けた。
『トム、エレンと話したいんだけど・・』
頷いたトーマスが、エレンを見た・・・妹のサラと何やら話をしていた。
「サラ、手伝ってくれるかな?食べ物を作る・・・マスター、キッチン借りるよ?」
そう言って、トーマスがキッチンに向かうとサラが後に続いた。
ユリアンがトーマスに軽く感謝のジェスチャーをして、エレンの隣に寄る。
『行くぞ、俺、ファイト!』
気合を軽く入れ直して、ユリアンがエレンに向き直った・・・。
『ユリアンの奴・・・上手くやるかな?』
トーマスが陰ながら見守る中、ユリアンが話し掛けた。
「あのさ、エレン・・・」
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