ロアーヌ反乱事件

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旅人が自己紹介を始めた。 「トーマス・ベント」 「エレン・カーソンよ」 「サラです・・」 「ユリアン・ノール」 「モニカ・アウスバッハです」 モニカもみなに続いて、自己紹介をした。 「これは、ご丁寧にモニカ様・・・」 ハリードが綺麗なお辞儀をした。 『モノをもらったら態度が・・・』 エレンががめつい男を見るような目で、ハリードを見てたが、トーマスとユリアンは違った。 ハリードの振る舞いに、何か気品だったものを感じたのだ。 「俺のカムシーンが唸るな」 ハリードがそう呟くとマスターが飛び上がった。 「曲刀カムシーン!?あんた、あのカムシーンかい!?」 「俺をそう呼ぶ奴もいるな」 ハリードがそうこたえた・・・どうやら、有名人だったらしい・・・ 「すぐに・・」 「おっと出発は、明日だ・・すぐに出ても今のあんたなら、すぐに倒れる・・・・ゆっくり休んでから行くぞ」 ハリードがそう言って、宿屋に向かった。 『あの中で、使えそうな奴は、トーマスぐらいか』 そう考えながら、ハリードが翌日の作戦を練った。 (シノンの道) 開拓を始めたばかりのこの道、シノンの道と呼ばれるこの先に、ロアーヌ候、ミカエルの宿営地があった。 「いいか、デザートランスの陣形を組み・・モニカ様は後ろで、俺が前を張る」 ハリードがテキパキと指示を与えていた。 「参考までに聞いておく、お前ら実戦経験は?」 「私は、この辺りのモンスター程度相手なら・・・」 ハリードの読み通り、この中で一番使えそうなのはトーマスだった。 「私もこの辺りの奴なら、楽勝よ」 「私は・・まだ蛇程度しか・・」 エレンとサラも使えるかどうか別にして、一応実戦経験はあるらしい・・ 「ユリアン、お前はどうだ?」 ハリードがユリアンに会話を振った。 「え?俺?」 モニカと話していて、気が付かなかったらしくユリアンが慌ててハリードを見る。 「お前以外にユリアンがいるか、緊張感の無い奴だな・・・実戦経験はあるのかと聞いているんだよ」
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