鳩山

2/2
前へ
/7ページ
次へ
「ここが石垣…」 ある国の首相を辞任してから自分探しの旅に出ていた。 正直何故お小遣いであんなにも責められたのか謎である。 ぽっぽはママからただお小遣いとしてもらってただけなのに… 「過去を悔やんでも仕方ない」 後はあの顔面ほくろだらけが何とかするだろう。 「さて何をしようか」 「お前鳩山じゃね!?」 空港そばの港を歩いていると小学生に話しかけられた。 こいつ、敬語も使えないのか。 「仮にも首相だったのだ。崇め敬え奉りながら慎重に敬語を使いたまへ」 「やっぱりぼんぼんは言うことが違うな!」 「お金が有るところに産まれてしまったから仕方ない。これも運なのだよ」 「へぇ、よくわかんねぇや」 「所で少年、君は何をしているのか。」 「見たら分かるだろ!釣りだよ!」 「ほぅ」 そういって堤防の橋から海を見下ろすとエメラルドグリーンの小魚が泳いでいた。 「ポッポ」 「そんなに珍しいの」 ふ、この鳩山かこれくらいの魚見たこと無いわけないだろ。 ただちょっと見とれてただけなんだからね! 「しかし青い海だ」 見ているだけで病気になりそうなくらい青い。 全く、海のバカヤロウ!である。 「おじさんも釣りする?」 「ぽっぽぅ」 釣りか、どうせ暇なのだ。少しやってみるとしよう。 「自分の才能が恐ろしい…」 何とか釣りとは容易いのだろうか。 この十分の間に五匹も釣ってしまった。 「おじさんまだまだだなぁ。十分あったら最低二十匹は釣らないと」 「ぽっぽぅ」 「中々いい気分転換になった」 少年に別れを告げた頃には既に空が赤らんでいた。 「夕日か」 じっくりと見たのは久し振りかもしれんな。 ふむ、命の洗濯にこの島を選んだのは間違いではなかった。 何、まだ時間はある。しばらくこの島を回るとしよう。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加