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「怒気☆恨みだらけの大運動会!撲殺もあるよ!」
「で、謝罪は」
「すいませんでしたああ!」
「一時間も遅刻してきて、気合いを入れた私が馬鹿みたいじゃん…」
「ゲーセンに行くだけなのにか?」
「うるさい!ニブチン!」
(まぁわざと反らしたのだが…。しかしどう機嫌をとろうか)
「晩飯好きなもん奢るからさ!お詫びに」
「物につられると思ったら大間違いだ!と言いたいところだが素直に奢って貰うとするわ」
「ふぅ、まぁまた何が食べたいか考えておいてちょ」
「はいはい」
「で、この後の予定はいかがなさいますか、お嬢様」
「きもっ、そうね、ゲーセンって気分じゃないからカラオケでも行かない?勿論あんた持ちで」
「はぁ?何でだよ」
「遅刻の件は許して無いわよ」
「はいはい。解りましたよ~」
(やった、あいつと二人きりだ!)
「で、何を歌おうかな」
「一番乗り~」
「~♪」
(流石女、いいこえしてるなぁ…)
「終わったわよ。次あんたでしょ」
「俺の美声を聞くがいい」
「あんた本当に下手ね」
「うるさい!」
「貸しなさい、ここからは私のステージね!」
「~♪」
(本当にいい声してんなぁ。俺が歌う時間が勿体無いな)
「何じろじろ見てるのよ」
「あ!え、いやぁ、歌ってる姿に見とれてたました。正直かわいいなぁと」
「な、ばっか見たい…」
「うん。歌上手いし、カラオケ代を払ったかいはあったよ」
「そ、そう?」
((沈黙が気まずい…))
「あ、あのね?」
「は、はい」
「正直私のこと、どう思ってるの?」
(何だその上目遣い!駄目だ!溶けてまうでこれ!)
「ねぇ、どうなのよ」
(えぇい、ままよ!)
「ねぇ、え、きゃ、んむ」
「強引なのね」
「すいませんでしたああ!」
「別に嫌って言って無いじゃない」
「けど不満そうじゃん」
「ちゃんと私をどう思ってるか言葉で言って欲しいな」
(まじか!)
「俺は!」
「俺は?」
「女の事がす、んむ」
「へへ、仕返し」
そういって笑った笑顔は今までに見たことが無いほど綺麗に咲き誇った。
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