甘い憂鬱 1

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「ちょっ危ないよ!!!」 そう、俺が見たのは海に飛び込もうとしている少年を見たのだ。 少年は俺の方を向いた。 少年は動かないし、喋らないから死んでいるのかと思った。 そう思った瞬間、少年の口が開いた。 「うみ…すき」 きれいな声。 海の波の音。 それが混ざって俺には聞こえた。 きれいな目で俺をまじまじと彼は見ていた。 (ドキンッ) 俺も彼の目を見た。 少しだけ、時間が止まった。 そんな気がした。 .
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