第一章「出会いはそこそこに」

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「話す前に一つ聞いておくわ。」 「ん、何だ?」 「紅蓮君は現代に戻るつもりはある?」 真剣な表情で聞いてくる霊夢を見て少し考え直してみるが、オレの答えは決まっていた。 「いや、無いな。」 「そう、ならいいわ。」 霊夢はお茶を啜って一息つく。 「さて、何から話そうかしら……。 幻想郷についてからでいい?」 「ああ、頼むよ。」 霊夢は湯呑みをテーブルの上に置いて話し始めた。 「まあ気付いてるかもしれないけど、ここは貴方が元々いた所とは違う場所よ。 多分貴方はこの幻想郷にいる妖怪、『八雲 紫』に連れて来られたと思うの。」 「やくも……ゆかり?」 「そう、紫はスキマっていう便利能力が使えるのよ。」 「スキマ? 能力?」 意味の分からない単語が出て来たな。 スキマと妖怪。 う~ん、ゴキブリの妖怪か? 「貴方、ホントにここの事知らないのね……。」 彼女は頭を掻く。 そして少し困ったような顔をこちらに向けてきた。 「最近はここの事知ってるような奴ばっかり来るから説明しなくて済んだんだけど……。 そっか、能力から説明しなきゃいけないのか。」
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