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「と、取り敢えず能力ってのは何だ?」
まず気になった事だ。
さっきの八雲とやらの話にも能力とやらが出て来たからな。
「ま、簡単に言えば一人一人に備わっている特技みたいなものね。
例えば私なら『空を飛ぶ程度の能力』。」
そういった瞬間、霊夢は湯呑みを持ちながら宙に浮きはじめた。
「………………。」
皆さん、人が目の前で浮き始めましたぜ。
これはイリュージョンか。
あ、そういやさっきチルノも飛んでたっけ。
「貴方もそのうち使えるようになるかもしれないわよ。」
「え?
ホントに?」
「ええ。
幻想郷にいたら能力を使える様になった外来人は少なくないわ。」
「そ、それは楽しみだな。」
正直怖いが。
考えても見ろ。
自分の骨を操る能力だったらどうする?
ゴキゴキ鳴らしてしかも痛いだけっていう。
「ただ能力を使えるのはいいんだけど、現代に戻りにくくなるっていうデメリットがあるのよ。」
霊夢は困ったように溜息をつく。
「幻想郷は現代と断絶された場所だからこういうことが起こるのよ。
まあ、貴方は戻るつもりがないみたいだからいいけど。」
「へえ……。」
オレにとっては好都合だがな。
「まあ、能力を使えるようになったら力の加減は覚えなさいよ。
危ないから。」
「わ、わかった。」
これでこの世界には異能の力があることが分かった。
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