第一章「出会いはそこそこに」

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「と、取り敢えず能力ってのは何だ?」 まず気になった事だ。 さっきの八雲とやらの話にも能力とやらが出て来たからな。 「ま、簡単に言えば一人一人に備わっている特技みたいなものね。 例えば私なら『空を飛ぶ程度の能力』。」 そういった瞬間、霊夢は湯呑みを持ちながら宙に浮きはじめた。 「………………。」 皆さん、人が目の前で浮き始めましたぜ。 これはイリュージョンか。 あ、そういやさっきチルノも飛んでたっけ。 「貴方もそのうち使えるようになるかもしれないわよ。」 「え? ホントに?」 「ええ。 幻想郷にいたら能力を使える様になった外来人は少なくないわ。」 「そ、それは楽しみだな。」 正直怖いが。 考えても見ろ。 自分の骨を操る能力だったらどうする? ゴキゴキ鳴らしてしかも痛いだけっていう。 「ただ能力を使えるのはいいんだけど、現代に戻りにくくなるっていうデメリットがあるのよ。」 霊夢は困ったように溜息をつく。 「幻想郷は現代と断絶された場所だからこういうことが起こるのよ。 まあ、貴方は戻るつもりがないみたいだからいいけど。」 「へえ……。」 オレにとっては好都合だがな。 「まあ、能力を使えるようになったら力の加減は覚えなさいよ。 危ないから。」 「わ、わかった。」 これでこの世界には異能の力があることが分かった。
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