第一章「出会いはそこそこに」

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「そういえば今日は鬼がいないね?」 するとずっと静かに話を聞いていたチルノが口を開いた。 「鬼? ……ああ、萃香の事ね。」 ……待て、鬼? 「……凄いな、霊夢は……。」 「え?何が?」 オレの呟きが霊夢に聞こえたらしく聞き返してきた。 「だってここには妖怪が集まってくるんだろ? 退治するのは大変じゃないのか?」 「…………え?」 するといきなり場が静まる。 「……ぷっ! あははははははははは!!」 だが霊夢はいきなり大爆笑し始めた。 当然、オレは何故笑われたのか分からず頭を傾げる。 「なあチルノ、オレ何かおかしいこと言ったか?」 「まあ、普通ならおかしいことは無いんだけど……。 ここの巫女はちょっと特別だから。」 チルノは苦笑いしながらオレを見る。 「あはは! 私の事を心配してくれたのは分かってる、ありがとう!」 霊夢は笑いすぎて出た涙を指で拭いながらそう言った。 「ごめんごめん、そんな風に考えた人は今までいなかったから。」 「そ、そうなのか?」 霊夢はうん、と頷きながら続ける。
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