序章「出逢いは頭から」

2/4
88人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
俺は真っ逆さまに落下していく。 頭の中に俺の思い出が走馬灯の様に流れていく……。 いや、これは実際の走馬灯なんじゃないか? ……死ぬんだな、やっぱ。 『ブオン』 「何だ今の音……。」 何か変だ、そう思った瞬間だった。 頭に衝撃が走る。 目から火花が散るような感覚もあった。 そして目の前が真っ暗になる……。 「……お……ぶか。」 俺は朦朧とする意識の中で声を聞いた。 「だい……か…。」 あれ? 俺、何してたんだっけ……。 あ、自殺したのか。 最後には頭に凄い衝撃があって……。 つーか頭痛ぇ!? 何だ、死んでも痛みを感じるのか? だりぃな……。 「おい、大丈夫か?」 「ん?」 俺が目を覚ますと、目の前に背中から氷みたいな羽を生やした少女がいた。 「天使がいる……ここは天国か……。」 「何言ってるのよ。 あたいは天使じゃなくて妖精。 そしてここは天国じゃなくて幻想郷。」 「はい? 意味が分からんのだが……。」 「あたいに聞かれても分かんないよ。 とにかくあたいは妖精。 ここは幻想郷。 それが事実。」
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!