序章「出逢いは頭から」

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もしかしたら『幻想郷』っていうのは天国の本当の名称じゃないのか? まあ、妖精ってのがいるわけだから、オレのいた世界とは違うのは確実。 だったら何でもいいか。 「それよりあんた、いきなり頭突きしてきたのに謝罪の一つも無いの?」 少女は頭をさすりながらこっちを睨んでくる。 「頭突き? そんなのいつしたんだ?」 だがもちろん俺にはそんなことをした覚えはない。 大体目の前の少女とは初対面だ。 動機があるわけもない。 「あんたが気絶する前だよ。 空からゴチーン!って。」 「ゴチーン……?」 ……あれ、てっきりオレは地面に落ちて頭を打ったと思ってたけど……。 もしかしてこの子の頭に当たったのか!? 「も、もしかしてオレはそのまま気絶してた?」 「そうよ。 だからこのさいきょーチルノ様に謝りなさい!」 少女は胸を張って言う。 まあ元々強調性のないその胸を突き出しても色々と憐れに感じるのだが。 とにかくこちらが悪いのは明確なので謝ることにする。 「お前チルノって名前なのか。 ごめんな、痛かっただろ。」 「うん、しばらく動けなかった!」 高校生の男が気絶する程だ、痛くない訳がない。 「……スマン……。」
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