第一章「出会いはそこそこに」

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オレは森の中を進んでいる。 隣でフワフワと飛んでる奴と一緒に。 「なあ、今から何処に行くんだ?」 オレは綺麗な氷の様な羽根をパタパタと羽ばたかせている妖精、チルノに話し掛ける。 「博麗神社の貧乏巫女の所。」 「何か……可哀相な人だな。 神社で貧乏な人ってあまり聞いた事無いんだが。」 チルノはそれを聞くと笑いながら答える。 「まあ、仕方ないよ。 あそこには妖怪が来るから、怖がって人が寄り付かないんだ。」 「ああ、だからお賽銭とか無くて貧乏なのか。 可哀相に……。」 ……ん? 今何か不穏なワードが聞こえた気がする。 ほらアレだよ、目玉から手足が生えた親父を持つ奴とか。 頭がチョココロネみたいな総大将とか。 「って、妖怪いいぃぃいいッ!!?」 「ああ、こっちから手を出さなきゃ大丈夫。 ……神社に集まってくる連中は。」 「それ以外は?」 「見境なく襲って来るかも。」 「ひいぃぃああぁぁあ!!」 「変な叫び声出さないでよ……。」 いやいやチルノさん。 襲われたら人は死にますよ? そんな状況聞かされりゃ誰だって変な叫びくらい……出さないな、うん。
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