序章:遙か遠い未来から

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「いっ…たあぁ……っ」 涙目になりながら、寝ていた少女は自分の頭を擦る。 「よし、篠原。 京都守護職に任命された松平容保が名付けた、近藤勇や土方歳三らのいた組織の名前は何だ?」 教師が出題した問題に、少女…篠原椿はしばし考え込む。 そして、バッと勢いよく顔を上げ 「新製グミっ!!」 自信満々の表情で、そう答えた。 「はい、不正解。『新選組』だ馬鹿」 椿のモニターから再度手が現れ、今度はデコピンする。 「『新選組』は、京で尊攘派浪士を容赦なく斬り捨てた人斬り集団の名前だ。 彼らが一躍有名になった『池田屋事件』によって、明治維新を一年遅らせたとも、早めたとも云われている」 それじゃ、次いくぞー。という教師の声を聞きながら、椿はこっそりモニターを操作し、機能の一つである『電子図書館』を開く。 ――…新選組……っと。 椿は新選組の名前を入力し、彼らの記録や説を読んでいく。                
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