序章:遙か遠い未来から

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――…『暗殺集団』に、『人斬り集団』ねぇ…。 表示される文章を流し読みしながら、椿は欠伸を噛み殺した。 ――…変な話。明治維新が成功しなかったら、薩摩や長州が人斬りと蔑まれて、新選組が“英雄”として讃えられたんだろうに。 維新の英雄も、新選組も…皆結局は人斬りじゃないの。 椿は冷めた目でモニターを見て、また机に突っ伏す。 「ん?おーい、篠原!性懲りもなく寝るんじゃない!!」 教師の声を聞きながら、椿は重くなった瞼をゆっくり閉じる。 ――…昔の人って…何の為に戦ったのかな。 ぼんやりとそんなことを考えながら、椿は睡魔に身を委ねた。                
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