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「松田君って話やすいよね。私いつもは人見知りで友達つくるのにすごく時間がかかるんだけど、松田くんとは初対面から話せてたもんね。」そう言われて僕も悪い気はしない。バイトをはじめて二週間がたつ頃には、僕らは一緒に帰るようになっていた。七時すぎだというのにまだまだ明るい空の下、彼女とたわい無い話をしながら並んで歩くのが僕は好きだった。    「どうしてバイトしようって思ったの?」 軽い気持ちで聞いたセリフだったが、雅美の顔が一瞬曇った様にみえたので、僕はあわてて撤回した。「あっ!ごめん、言いたくないなら別に構わないんだ!僕は親にいわれて渋々だけど、雅美ってあんまりバイトとかしてそうじゃないタイプにみえたから言ってみただけ。無理に聞こうってわけじゃないから気にしなくていいよ!」と僕が言うと、雅美は軽く首をふり、ゆっくりと話だした。
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