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僕は心に思った事をそのまま口にだした。「よくわかんないけど、雅美ちゃんが心の底から望んでるのは、一人ぐらしをする事なの?」雅美は白い顔を僕の方へと向ける。「今の話をきいてると雅美ちゃんは僕に寂しいって言ってるように聞こえたけど?再婚は反対なのにお父さんに嫌われたくなくて、うけいれたし、お母さんに嫌われたくなくて、本音を言わない。でも口に出さなきゃわからない事もあるよね?お父さんは雅美ちゃんが我儘いっただけで嫌いになる様な人なの?せっかく出来たお母さんとはちゃんとした話もしようとしないで、はじめから親子の関係を放棄しちゃうの?嫌われる事が恐くて相手とぶつかる事をさけてたら、どんなに誰かといても結局は一人と変わらないよ。それにお父さんやお母さんだって、雅美ちゃんの心がわからないからどう接していいかわかんないかもだし。」夢中になって話をしてた所為か、彼女が下を向いていること気付いたのは暫らくたってからだった。僕は余計な事を言ってしまった事を後悔したが、いまさら撤回できない。どうしようかと考えているうちに彼女が顔をあげた。
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