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「有難う。ほんとは誰かにそう言ってほしかったのかもしれない。受け身でいたって、人との関係なんて良くならないないわよね。環境がかわっても、中身が変わらなきゃ意味がないし。私は自分で自分の首を絞めてたのかもしれないわ。今日、自分の気持ちを伝えてみるね。松田君に話せてよかった。」そう言って笑った彼女の顔を、僕は綺麗だと思った。それからというもの、僕はバイトにいくのが楽しみになっていた。いつの間にか、雅美に逢いたいという思いが、強くなっていたからだ。雅美はというと、アルバイト仲間とも話すようになり明るくなっていた。「昨日お母さんと買い物にいった」とか「昨日お父さんと映画をみた」という話を嬉しそうに話す雅美がすごく好きだった。
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