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 夏休みも終盤にさしかかる頃、僕は思いきって雅美を誘ってみる事にした。「今週休みとって、映画でも観にいかない?。」僕の真剣な眼差しに彼女は最初目を丸くしたが、すぐに嬉しそうにうなずいた。    休みの日。僕らは駅で待ち合わせした。彼女は肩まである長い髪をおろし、白いレースのスカートにブラウスという女の子らしい出で立ちで、待ち合わせ場所に立っていた。僕は数少ない衣服の中で、一番お気に入りのシャツとジーンズにキャップをかぶり、彼女の元へと走った。画用紙に描きたい程、美しいスカイブルーが僕らを見守るなか、僕達二人は映画館へと向かった。夏休みということもあって、街は若者達で賑わっている。
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