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 夏休みも終わり季節は秋へと変化した。青々とした草木達は落ち着いた大人の色へと着替え、空は一段と高くなる。僕はというと、バイトを終えて、学生へと復帰した。雅美との交際は順調で、週に二回は彼女の家と自分の家を往復する生活が続いている。雅美もバイトをやめて、今は学校生活をエンジョイしているようだ。両親との溝もじょじょにではあるが、埋まってきている。これも彼女の努力の賜物といえる。彼女の家に行ってわかった事だったのだが、義理のお母さんは本当に優しい人で、本当に雅美の事を考えいる人だった。ただ雅美との関係をうまくいかせたい為に、必死で空まわりしていた不器用なタイプだった。「松田君のおかげよ」と彼女は笑うが、彼女がとても努力している事は僕にもみてとれる。
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