出会い

3/6
前へ
/51ページ
次へ
 教室に入ると、僕と同じようにワカメの集団がいた。皆雨にやられたらしい。同志がいると、僕の不幸もたいしたものではないと安心できる。僕は海藻と化した髪の毛をハンカチで拭いながら、自分の席へと向かった。窓際の一番後ろ。僕はこの場所がとても好きだ。眠っていてもばれることが少ないし、外からくる風が何とも心地よい。席について、体操服に着替えていると、教室のドアから一人の少年が入ってきた。相原だ。  今思えばそいつとの出会いが僕の平凡だった人生を180度変えてしまった。出会わなければよかった?そう思った時には後にひけないほど、この美少年へとひかれていた。
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加