出会い

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 相原 涼は隣のクラスにいる。本当に綺麗な顔をしていて、常に女子の注目を浴びていた。しかし、本人はクラスの人間と馴染む事はなく、休み時間はどこかに出掛けていたし、授業が終わると部活をするわけでもなく、さっさと下校しているらしい。僕はというと、相原以外にクラスで三人の友人がいる。長身で狐顔の小山 広夢、太い眉毛とでかい目が印象的な吉川 貴志、小柄で女の子みたいな、橘 佑介。この三人と行動を共にして、ふざけたり笑いあったりしていた。しかし単独行動の相原が気にはなっていたし、話かけたりもしたが、いつも相原は笑顔で僕をかわし、さらりとどこかへ消えてしまう。 「相原っていつも何してんだろう?」広夢が狐みたいな目で僕に尋ねる。「 バイトでもしてんじゃない?いつもどっかに消えてくし、知らないよ」と僕は答える。実際僕も相原に聞いてはみたいのだが、誰でも話たくない事はあるだろうし、無理やり聞きだすのも悪いだろうと抑えているのだ。「女でもいて会いにいってんじゃないの?」可愛らしい顔で佑介が言うと、「あの顔ならよりどりみどりだろうな」と貴志。
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