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       「帰って来たらすぐに   ただいまでしょう?」  そんな小学生に言う様な  事を真顔で俺に言う、  リビングから出てきた  この人………  この人は、俺が世界で  一番って言っても  いいくらいに苦手な人。  「ゴメン…。   ただいま、涼兄」  俺は、無理矢理口角を  上げて笑って見せた。  今日は、絶対に涼兄よりも  早く帰ってきた  つもりだったのに…  最悪だ。  「ってか裕翔?俺に   見せる物無いの?」  涼兄は俺を見上げて、  ニッコリと笑った。  その手には調理中  だったのか、フライ反しが  握られていた。  「えっとぉ………   なんの事だかよく   解らないんだけど…」  俺は涼兄の肩を押して  リビングに近付いた。  でも、涼兄は逆に  俺の腕を掴んで  その場から動かなかった。  「知ってるんだよ?   授業参観の用紙…   持って帰って来てるの」  
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