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       「へぇ。また涼介君   来るんだね」  そう言って小さく  笑ったのは、親友で  幼なじみの侑李。  昨日の出来事を  綺麗にそのまま  侑李に話した。  「涼介君も凄いよねぇ」  「うん…」  「あんだけ周りに騒がれて   無自覚なんだもん」  侑李はそう言うと、  机の中から2時現目の  物理の教科書を出した。  「ってか絶対に情報網は   侑李ママだよね?」  「ふふっ。だろうね」  いっつも思うけど、  なんで侑李ママと  涼兄は仲良しなんだ?  そりゃ、家が近く  ってのは解るけど…  「僕は素直にお母さんに   来なくていいって   言ってるからね」  「涼兄に言ったって   聞かないの知ってる   癖にぃ……」  俺が呟いたと同時に、  2時現目を開始する  チャイムが鳴った。  侑李は一瞬だけ笑ってから  黒板の方に体を向けた。  
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