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(いいとこだったのに。)
しょうがなく、声の聞こえた方に向かう。
そこにいたトゥエルが持っていたのは、またもや、茶色く変色した紙だった。
(紙好きだなぁ。こいつ。)
ハル……トゥエルは別に紙が好きな訳じゃないと思うよ?
しかし、トゥエルの持っていた紙は、思いの外素敵なものだった。
「これ……学校の見取り図だ。」
あの、ある先生が捨ててしまい誰にも告げずに去って行ったという、誰が見てたんだとつっこみたくなる噂の……
あっ、もういい?
一文が長くて、何言ってるか分からない?
……失礼しました。
つまり、セイガの言う通り。
「それは、行ってみるしかないだろう。」
ところで。
(うん……結界のこと言うタイミング見失った。)
そうだね、ハル。
「まぁ、でも今日は帰ろうか。ばれるとやばいし。」
ハルの心の声が聞こえるはずもなく、セイガによって続けられた言葉で、そういうことになった。
もちろん、各自でここに遊びに来るのは自由である。置いてある本は読み終えるのに何年もかかるような量だったのだから。
(ところで、トゥエルは宝の地図をどこで見つけたんだろう?
聞きたいわけでもないけど。)
と、ハルは思った。
なら聞くなよ。
*~*~*~*~*~*~*~*~
朝。
ハルの朝は誰かによって部屋のドアを叩かれる音から始まる。
「起きやがれこのやろう!」
「起きないと地獄へ道連れにするよ?」
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