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それにしても、雷撃は相当手加減されていたのだろう。
そうでなければハルは今頃感電して死んでいる。
セイガはやさしい。
*~*~*~*~*~*~*~*~
ーざわざわざわざわー
朝っぱらから、クラスが騒がしい。
「あー、あの噂本当だったのか。」
教室に入るなり、トゥエルはそう呟いたのだが、残念ながら、蚊の鳴くような小さい声だったので、誰にも届かなかった。
そうこうしているうちに、担任の先生が入ってきた。
朝の連絡を終えて一言。
「えー今日は、転校生を紹介する。」
教室内のざわめきは一瞬にして歓声に変わった。
「じゃあ、入って。」
皆が、興味津々でドアを見つめる。
違った。
ハル以外だ。
(どーでもいー)
転校生が嫌いなわけでもないが、正直言ってどうでもいい。
(まぁ早く馴染めるといいねって思う。)
要するに、感心が薄いだけ。
仕方ないか、ハルだから。
そして、転校生が入ってきた。
「はじめまして、ルイカと言います。」
教壇に立ち、お決まりの自己紹介を始めたのは、一人の女の子だった。
そんなに美人って訳でもない。どこにでもいるような普通の娘だ。
彼女はちゃんと自己紹介してくれたのだが、ハルは全く聞いていなかった。
そのうちに、紹介が終わってしまい、
「席はトゥエルの隣だ。みんな仲良くするように。」
そんな小学校みたいな台詞を残して、先生は教室を出ていった。
さて。
トゥエルの隣、ルイカにとっては幸運だったのだろうか?
「はじめまして、僕がトゥエルだよ。」
おずおずと席についたルイカにトゥエルがいった。
「あっ…ルイカです。よろしくね。」
はにかんで答えるルイカは、美人でなくともなかなか愛嬌がある。
「うん。よろしく。分かんないことあったら何でも聞いて?」
笑ってウィンク☆
これが、不自然でなく似合ってしまうのが、トゥエルなのだ。
なんとも嫌味な奴である。
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