47人が本棚に入れています
本棚に追加
「……その銀髪がどうしたの?」
ルイカは先程、転校生に興味を持ったクラスメイト達に話しかけられていたが、当然、その中にハルの姿はなかったはずだ。
「あの……自己紹介の時寝てたみたいだから……。」
ばれてたらしい。
「ごめんねぇ。アレはあーゆー奴だから。僕からもちゃんと言っとくよ。」
「あっ、いいよいいよ。あたし、転校するの実は2回目なんだけど、寝てる人って珍しいから。」
トゥエルの謝罪に、ルイカはパタパタと手をふった。
ふと、時計を見るともう、6時を回っていた。女子寮の門限は6時半なので、もう帰るべきだろう。
「もう時間だね、送るよ。」
と、トゥエルがさりげなくルイカの手をとった。
(よし、ルイカ送ったらローラとデートして……)
…………。
返す言葉がない。
トゥエルは、ハルよりよっぽど、たちが悪かった。
*~*~*~*~*~*~*~*~
ーその夜。ー
大抵の人が眠りにつく午前0時。
……今時、寝てない人のほうが多いって?
いいんだ、この話の主人公の常識では、夜は眠るものだから。
まぁ、そんな些細な常識は置いといて。
珍しくハルは今日、起きていたのである。
なんのためにかと言えば。
もちろん、睡眠時間を削る価値のある面白いことのため……なのだが、だからそれが何かと言うと……
最初のコメントを投稿しよう!