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そこに“それ”はいた。
壁からのびる鎖のついた4つの枷に手足を拘束されている。
“それ”は石でできた床に膝をつき、手足の枷に身を任せていた。
その体には絡みつくように多数の鎖が巻かれている。
“それ”の動きに合わせて、鎖が擦れて、ジャラジャラと音をたてた。
腕には、枷とすれて出来たらしい傷が幾つも刻まれている。
ふと、黒髪の頭が持ち上がる。
“それ”は金色に煌めく瞳で、虚空に睨み付けた。
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