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それは、【反転】が結構高度な魔法だからだ。
高校一年生、即ち16歳の使う魔法ではない。
「ってか、帰るぞ。もう俺は眠い!」
……そこは威張るとこじゃない。
という訳で。
ハルはチェインの腕を引っ張り、魔法陣に飛び込んだ。
何事もなかったかのように屋根裏へ帰って来たハルは、気付いたようにチェインを顧みる。
「あっ、そうそう。契約の条件だけど……」
そんなものが……、実はある。
自分に力を与えること。
とか、
何かを守ること。
とかだ。
要するに、契約した神は、お友達として頼み事を聞いてくれるわけだ。
ただし、現実に友達に、
友達なんだから言うこと聞けよ
っていったら殺されるけどね。
「喚んだら来ること。んで、頼んだら手ぇ借してくれること。だから、それまで戻ってていいよ。」
どこへ?
元いた世界へ。
神は、召喚するものであり、依って元々ここに居たわけではないわけだ。
「……てめえは、何者だ?」
あの……随分唐突だね?
まぁ確かに気になるけど。
「だから…………ハルだっつってんだろうが。」
「…………。」
うん。諦めた方がいいよ。
ため息をついた、チェインの姿が見えなくなる。
言われた通り、どこかへ行ったらしい。
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