ところで

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眠い。 とても眠い。 と、少年魔法使いーハルは思った。 授業中である。 (べ……勉強なんか嫌いだぁ) まぁ大抵の学生さんはそうだろう。でも、授業中にそれを言ってもしかたないんじゃないか? 「悪魔を使役する場合に召喚円に書くこの文字は、《悪魔の文字》(デビル・ワード)と呼ばれ……」 先生がなにか喋っているようだ。 (でびる・わーどってそのまんまじゃねーか……ってか悪魔の文字なんぞ知るか、俺は人間だっっ!) その通りだ。別にお前が人間じゃないなんて、誰もいってないけど。 (zzz……) あっ、寝た。 ハルが寝てしまったので、この学校について説明する事にしよう。 ここは、何となく想像がつくように、魔法学校である。 高校生にあたる年齢の魔法使いたちが生徒として学んでいる。 因みに、ハルはここの一年生だ。 キーン、コーン、カーン、コーン (あっ、授業終わった。) ハルの起床により、学校紹介は強制的に打ち止めとする。 終了の礼が、省略されたのをいいことに、ハルはそのまま机に突っ伏して寝続けるつもりのようだ。 (授業終わったから、目ぇ覚めたな。) そりゃよかった。 って、良くないけど。 「ハル!いつまで寝てんだ。次の授業教室移動だろ。」 「わかってるよ、セイガ、今行くっつーの。」
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