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寝てた奴が わかってる とは思えないが。
「んで、なんだっけ次」
やっぱり……
それは置いといて。
やっとこさ荷物をまとめて、ハルは立ち上がる。
「次は植物学だよ、実験室に移動。」
情けないハルに、日程を教えてくれたセイガは、なかなか爽やかなイケメンだった。
茶髪に澄んだ青い瞳を持っている。
そういえば、ハル自身の見た目を紹介し忘れたので、ついでに書いておこう。
ハルは銀髪だ。
しかし、もとからの癖っ毛と寝癖を直さない無精さにより、整髪剤でもつけた間違えたように、あっちこっちに跳ねている。
その長い前髪の合間から覗く目は藍色。
顔の作りもまぁ整っており、見映えは悪くない。
「ほら、行くぞ。」
と、セイガが教室を出る。
ふわぁ、と、あくびをして、ハルもセイガに続いた。
学校は無駄に広い。
元々学校として建てられたものではなく、教会だったらしいのだ。
書き方から分かるように、これはただの有力情報であり、真相は最早誰にも分からない。
資料がどこにもないからである。
職員の誰かが、誤って捨ててしまい、誰にも告げずに学校を去ったのだとか。
誰にも告げずに…と言いながら、何で噂が流れたのか、甚だ疑問だが、噂ってそんなものである。
違う、噂に言及している場合ではなかった。
20分ある休み時間の半分も使って実験室についたハルが盛大に文句を言っていることを、書きたかったのだ。
「遠い…遠すぎるんだよ!なんでもっと近くなんねーんだ!魔法で瞬間移動とかさせてくれたっていいじゃないか!」
「まぁまぁ。」
机を叩きながら小声で怒鳴るハルをセイガは軽く受け流す。
ハルは運動が苦手では決してない。
反射神経なんか抜群にいいが、このめんどくさがりが常々運動しているはずもなく、持久力が乏しいのだ。
曲がりなりにも、高校生男子であるから基本的に体力はあるが。
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