ところで

4/15
前へ
/175ページ
次へ
ギィーとドアが開き、先生が入ってきた。 生徒たちが慌てて席につく。 そして、 キーン、コーン、カーン、コーン と授業が始まった。 *~*~*~*~*~*~*~*~ 「あぁ……終わった…」 ハルはこの世の終わりのように言っているが、終わったのは今日の授業である。 「ハル、帰ろうぜ。」 席の前にやって来たセイガに、 「おー。」 と、気のない返事をして、ハルは立ち上がった。 そこに。 「あーいたいた。ハル!セイガ!」 誰かが声をかけてきた。 「トゥエル……」 カラカラと笑うホスト系のイケメンを見て、セイガがため息をついた。 「今度は何だ。どこに居たんだ。」 セイガの返答にトゥエルが首をかしげる。 「何が?」 「わかってるって。また美少女の話だろ。」 渋い顔のセイガと対称的に、ハルはちょっとニヤニヤしている。 そう、トゥエルは天性の女好きだった。 セイガの名誉のために書いておくが、同じイケメンといえども、セイガとトゥエルは全く違う。 トゥエルのがずっとウザイ。 そして、モテる。 「あぁそっちが先がいい?駅前のパン屋の新しいバイトの子すっげーかわいいよ。」 「まじか!えっ、いつから居んの?」 もたらされた美少女情報に、すかさずハルが食いついた。 「一昨日。β学園の子でさ、彼氏もいないらしいぜ。」 ほーそれはそれは。 というか、トゥエルは何処でそんなことを調べたのだろうか。たった二日で。
/175ページ

最初のコメントを投稿しよう!

47人が本棚に入れています
本棚に追加