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ギィーとドアが開き、先生が入ってきた。
生徒たちが慌てて席につく。
そして、
キーン、コーン、カーン、コーン
と授業が始まった。
*~*~*~*~*~*~*~*~
「あぁ……終わった…」
ハルはこの世の終わりのように言っているが、終わったのは今日の授業である。
「ハル、帰ろうぜ。」
席の前にやって来たセイガに、
「おー。」
と、気のない返事をして、ハルは立ち上がった。
そこに。
「あーいたいた。ハル!セイガ!」
誰かが声をかけてきた。
「トゥエル……」
カラカラと笑うホスト系のイケメンを見て、セイガがため息をついた。
「今度は何だ。どこに居たんだ。」
セイガの返答にトゥエルが首をかしげる。
「何が?」
「わかってるって。また美少女の話だろ。」
渋い顔のセイガと対称的に、ハルはちょっとニヤニヤしている。
そう、トゥエルは天性の女好きだった。
セイガの名誉のために書いておくが、同じイケメンといえども、セイガとトゥエルは全く違う。
トゥエルのがずっとウザイ。
そして、モテる。
「あぁそっちが先がいい?駅前のパン屋の新しいバイトの子すっげーかわいいよ。」
「まじか!えっ、いつから居んの?」
もたらされた美少女情報に、すかさずハルが食いついた。
「一昨日。β学園の子でさ、彼氏もいないらしいぜ。」
ほーそれはそれは。
というか、トゥエルは何処でそんなことを調べたのだろうか。たった二日で。
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