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「今度連れてけよ。」
いつの間にか呆れていたはずのセイガまで、しっかり話に加わっている。流石は男の子だ。
「当ぉ然☆」
いかにも傍若無人そうな笑み。
ニヤリと笑ったトゥエルだが、実は目的は別にあったようだ。
「それもそうなんだけどさ。昨日、面白いもん見っけたんだよね。」
「面白いもんって?」
今度はセイガが身を乗り出した。
「ジャジャーン、これなんだよ。」
ふっ、と後に手を回したトゥエルは、手品のように、どこからか、紙を取り出した。
古そうな茶色い紙が、まるめられている。
って、マジどこからか出てきたんだよそれ。
「宝の地図だ。」
……うっそだぁ。
絶句する二人の前で、トゥエルはその紙を開いて見せた。
「ほら、ここが天文学の教室だろ?」
「ん?じゃあこれは…」
ハルが地図の一画を指す。そして続けた。
「こんな所に扉なんて…」
「さっすがハル、お目が高い!それ、たぶん隠し扉だ。」
お目が高いってどこのセールスマンだ。
「隠し扉かぁ~」
意味深に呟いたセイガの言葉に、トゥエルが乗った。
「開けてみるっきゃないよなぁ。」
「いいんじゃね?少なくとも授業よりは面白そうだし。」
ハル……そこで授業と比べるってどうなんだろう。
「で?いつ行くんだよ。」
聞いたセイガに、トゥエルは言った。
「この扉は、満月の夜の午前零時にしか開かない。……ので、」
トゥエルは二人に向かって微笑んだ。
「今夜だ。」
……急すぎるだろ!!
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