第1章

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「でも、リアちゃんが来てくれたのは嬉しいかな。だってここ3年間くらい、姉様以外の人が訪ねて来てくれなかったし。  だからねリアちゃん、ようこそ魔王城へ。勇者だけどせっかくここまで来たんだし、私と遊ぼーよ」  それはもう、打倒すべき魔王(貧乳の敵)であるというのに、その顔は天使の微笑みと形容すれば良いのか。  教会のステンドグラスや大きな絵画に描かれているような、いや描くべきくらいな可愛さと清純さを重ね合わせていて。  対して私と来たら、瓦礫を用いてこの笑顔を振り向く天使(魔王)に何をしようとしていた? この汚れ無き顔に手を出し、私は何を為そうと――――  自問して、自答した答えに泣きたくなった。私は自らのコンプレックスを理由に、他人を亡き者にしようとして。  掴んでいた瓦礫が手から落ちた。人間として踏み外してはならぬ道に行こうとした、恥ずかしくて情けないと感じたから。 「私は……私は……っ!」  なんて愚かな勇者であろうと、膝を着いて涙を流し神に懺悔をした。 「リアちゃん……? リアちゃん!」  それに対し、オロオロと慌てふためいて何をすれば分からない天使は、その胸を大きく揺らしながら右往左往としていた。  それに怒りを感じ、懺悔の気持ちが混じり合いブラスマイナス0になったからだろうか。思いの外早く平常を取り戻した私は、空に手をパタつかせる魔王に口を開く。
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