プロローグ

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 悲願の魔王との決戦。剣1つとこの体で数々の難所をくぐり抜け、国の期待を一身に背負い来たのだ。    だから、雰囲気ぶち壊しの場所はどうでも良い――――それはどうでも良い問題だったんだけど。   「どしたの勇者さん? 人の家に勢いよく踏み込んで来た割には、随分疲れたような顔してるけれど」    場所には文句はない。だが、しかし。   「貴様が……世に不幸を振り撒く魔王で間違いないのか?」    魔王自体に文句があった。    魔王とは、人間とはかけ離れた怪物だったり竜だったり、または形も無い煙状の奴だったりと様々で、どれも共通なのが人間を恐れさせる姿をしていると。    だが、目の前でふんぞり返るこいつは。黒羽を生やし骸骨(プラスチック製)を被っている以外、人間の女の子と違いはない格好をしていて、青髪の長髪が綺麗だと思える。    プロポーションも高く、ボン、キュ、ボンと男からしたら理想的な体付きで、ふわふわした飾り付けがされた黒布の服装(ゴスロリ服)が可愛さを引き立てていた。    同じ女として嫉妬を覚え、人間と外見が一緒なのだから構えた剣に覚悟が決まらず、出来れば魔王ではなかってくれと願いながら尋ねたのだが。
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