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side K
しゅうたに誘われてやってきたのは夏祭り。
厳密に言うと誘われたっていうか連れ出されたっていう感じだけどね。
「夏祭りなんてきたの久しぶりだなー」
『俺は毎年来てるよ?』
しゅうたはとてもはしゃいでいる。
『ねぇねぇだまさん、金魚すくいしようよ!』
「うん、いいよ」
店のおじさんに2人分のお金を払い、2人分のボールとポイを受け取り、片方をしゅうたに渡した。
『ありがと!だまさん!』
その何気ない笑顔が俺は一番好きなんだな。
とその時
ビリッ
なんだ?と思ってみてみると、
それはしゅうたが俺のポイを破ったところだった
「なにやってんだよ、おまえー!!」
『だってだまさんぼーっとしてたから!』
「いやいやぼーっとしてねぇって、てゆうか金魚すくえねえじゃんか!」
『まあまあ俺がやるから見ててよ。』
「分かったよ、仕方ねえなあ」
なんだかんだいいながら俺はしゅうたに甘いんだなとつくづく思った。
そしてしゅうたは金魚を二匹すくい、おじさんに水の入った透明の袋に入れてもらった。
「金魚なんてどうするの?」
『ん?そだてるんだよもちろん!あっ次はあれやりたい!』
としゅうたが指さしたのはスーパーボールすくいで。
そこでもまたおなじように俺のポイが破られて、しゅうたはスーパーボールを二個持って帰るのだった。
おなかがすいたので、たこ焼きを買った。
店のおじさんに
もうすぐ花火だよ。
と言われたので二人で開いていたベンチに座った。
ドーンドーンヒュードーン
花火が打ち上げられた。
たこ焼きを食べるのも忘れて、2人で見入る。
『きれいだなー!』
「うんめっちゃきれい。」
2人だけの時間に感じた。
いつまでも空を見上げていたいと思った。
(お前の方がきれいだかんな・・・)
(なに?だまさん、なんか言った?)
(なんもない!)
end
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