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契約を済ませると、三人は早速店を出た。司音から少し離れて二人は小声で会話する。
「下手したらホンマに死ぬで」
「うちらの組織の保険は適用されるだろ?」
外部協力者には確かに保険が適用されるのだが、随分命知らずと天慈は思った。
「それに鈴子ちゃん、似てないんだよな」
忍は言う。
「面影が感じられないんだよ。なんかよそよそしいんだよね。隠しておきたい秘密でもあるのかな?」
契約後、鈴子について話をしたのだが、体が弱いなど確かに急がないとならない理由があったが、出生の部分が曖昧なのだ。
「自宅出産したって言っていたけど」
「手紙の二枚目に『来られない場合は、貴女達の関係を話す』とかあったけど…殺人者やったゆーんがバレたらマズイやろ」
「そっちかな…」
「深読みちゃうけ?」
天慈の楽天的な答えに、忍はその話を止めた。
「ボサッとしてたら司音さんから遅れるがな。はよ行こか」
二人は司音を追い掛け、駅に向かった。
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