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「……長曾我、部……?」
我はふと疑問を口にする。
――いや、確認する。
「もしや……泣いておるのか」「なっ、いて、ねえよ!」
図星だったのか、鬼は途切れ途切れに呟いた。
「では、なぜそのように声が震えているのだ」
「! そ、それは……っ!」
鬼は我を抱き締めたまま、首を横にぶんぶんと振る。
「………長曾我部」
「な……何?」
鬼は恐る恐る訊き返してくる。
「貴様も……孤独なのか?」
「!! こど、く……か……
そうかも、しれねえな」
鬼はあやふやに返す。
寂しそうな笑顔と共に……。
「俺は多くの子分に囲まれているが、少しだけ……ほんの少しだけ……あいつらと、溝を感じてた」
そしてぽつりぽつりと語り出すのだ。
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