約束

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また、明日。 夢を見ていた。 大切な約束だった。 それはもう、決して果たされることはない。 命と引き換えに、守った世界と約束。 俺は、何のために“明日”をもらったんだろう。 仕方がない。 その一言で、俺の気持ちを押さえつけた。 もういっそあの時、あのまま消えてしまっていたほうがよかったのかもしれない。 ため息を出そうとしたが、出なかった。 息、が…でき、ない…。 夢が白み始めた。 「ん…んが!?」 「11秒。まぁまぁね」 妙な胸苦しくさに目を覚ますと、開放された鼻からようやく空気が入ってきた。 そして、そこにはいつものあいつの顔があった。 【神郷 美咲(かんざと みさき)】。 俺の幼馴染だった。
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