青木の協力

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気が付いた青木が面白そうに俺の顔を見る。 「さあな。」 俺は青木を無視して弁当をかき込んだ。 ……… 「ねぇねぇ、村田さんって子さ、鈴木さんと同中なんだよね?」 弥生が俺に近付いてきて机の端にしがみつく。 「さぁ知らねぇ。」 俺の素っ気ない返事に弥生がキャッキャと騒がしく笑いながら、本当にクールだよねと見当違いな事を言う。 「だからね、村田さんに帰り言ってみるよ。」 えらいでしょ、と言わんばかりの顔で主張してくる弥生から距離を置いて、そうかと返す。 「本当に興味ないよね。」 弥生は呆れたように笑った。 「千尋君は興味のあるもの以外は全く見えてないだけなんだよ。」 青木の言葉に、何も分かっていない弥生はふぅんと相槌を打つ。
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