初めての苛立ち

3/11
2153人が本棚に入れています
本棚に追加
/367ページ
……… 週明けの登校時間。 俺はいつもより早目に学校に向かっていた。 昨日は散々だった。 舞田の視線が思わせ振りで、時々見せる含み笑いが俺の勘に障った。 映画は女二人が決めた恋愛映画に付き合わされて、その後のお茶でも女二人がぺちゃくちゃ話をして、お開きとなった。 塚沢は終始嬉しそうな顔で女二人に話し掛けたり、俺に話を振ったりと張り切っていたから俺は出来る限りお行儀良く振る舞った。 その日最後に舞田が言った言葉だけが耳に残った。 「朔ちゃんは男の子には免疫がないの。それに自分が綺麗だなんて気が付いていないから。」 だから、手強いよと舞田は笑った。 .
/367ページ

最初のコメントを投稿しよう!