初めての苛立ち

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でも、目の前にいるこの女の為なら何でもするんだろうな。 何にも気付かずに、小首を傾げている村田朔子は舞田が言うように手強い。 あぁ先が思いやられるなとこっそり溜め息を吐いた。 「昨日はどうだった?」 遅刻ギリギリに教室に滑り込んできた青木がニヤニヤしながら俺を見る。 「来なかった。」 「え、来なかった?」 珍しく本気で驚いた青木が訝しげにチラッと村田朔子を見る。 「すっぽかされたのか?」 「いや、別の奴が来た。」 「え、何で?」 確かに吃驚するだろう。 来る筈の奴とは別の誰かが現れたら。 前日に連絡はあったけれど、普通は納得いかないだろう。 「まぁ勘違い、ってところだな。」 「え?勘違いって?」 更に混乱した青木を放置して机に身を投げ出す。
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