希望と現実

6/15
前へ
/367ページ
次へ
「どこ食べに行く?」 「ハンバーガーで良いじゃん。」 「あぁ腹減った!」 三人の背後からブラブラと付いて歩いて、意識はまたあの日に吸い寄せられていく。 別に取り立てて何事もなく、ただサラリと流れていった午後の時間だった。 手を繋ぐ事も、肩が触れ合う事さえもなく、今時小学生でも俺達よりもましなデートをするんじゃないかと思う。 それでも、初めて間近で見る笑顔や照れた顔に強く心が惹かれて、あっという間の時間だった。 「じゃあまた明日。」 そう言って別れたのに、まるで赤の他人の振りしやがって。 今度、映画に行く時はどうしてやろうかと思う。 もっと俺を意識して、もっと俺の事に興味持たせてやる。 そうなると、やはりアイツにも協力して貰う必要があるな。
/367ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2152人が本棚に入れています
本棚に追加