希望と現実

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「ちょっと待って!私が負けるみたいに!私が勝ったら、誕生日プレゼント要求するから。」 「もうすぐ誕生日か?」 俺の言葉に、気まずそうな顔で頷く。 偶然知った誕生日に心の中でガッツポーズを取る。 「で、俺から何かプレゼント欲しいの?」 からかう様に聞くと困って聞き返す。 「何をくれるつもり?」 照れ臭そうに言うのがそそる。 「物より思い出。」 「CMのパクリじゃない。」 ちょっと笑って突っ込む顔を見ていると、思わず手が出そうになる。 「ドキドキウキウキワクワクする思い出。」 「何?それ。」 「何でしょ?」 ゆっくりと顔を近付けてジッと見つめる。 「どう?ドキドキウキウキワクワクしてきた?」 「…全然。」 目を逸らすこともせず、逆に俺を挑発するように言う。
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