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「ねぇ、サッカー応援に行くからね!」
弥生の甲高い声が耳に響く。
今日は夏休み前の球技大会で、授業もないからクラスのテンションも高い。
井田は当たり前にサッカーで、俺と青木も一応サッカーに出場する事になっていた。
学年優勝を狙っているらしい。
おう、と合図だけして教室を出る。
試合前に練習するからと念押しされていて、青木と共にグランドに向かう。
教室を出る時に、チラッと確認した俺の視線に気付いたのか村田朔子が上目遣いで俺を見て微かに笑った。
「何だよ、アイコンタクトかよ?」
後ろから意地悪い声が聞こえて、俺の背中を乱暴に押す。
「後ろがつかえてるんで出てくださ~い。」
「うぜ」
青木が俺の肩に腕を乗せて肩を組みながら歩き出す。
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